
この図がリバータリアニズム(広くはリバタリアニズムと呼称するが、リバータリアニズムという正式呼称は副島氏のみが使えるらしい)を説明するのに一番適しています。
今後も、ちょくちょくとリバータリアニズムを少しずつ紹介していきたいです。
これで「右翼か、左翼か」という討論からは一歩離れて考えることが出来ると思います。
(※1)アノミー(anomie):”無連帯”であること。フランスの社会学者エミール・デュルケムが定義した。人間は関係性を求めることが本能のため、どんな人も必ずどこかに自分のアイデンティティを帰属させている。アノミーに陥った状態になると非常に無秩序・無目的で、自分を殺すか、他人を殺すか、という感じに道徳観や倫理観が欠如し、嗜虐的・破滅的・反社会的になる。もしくはそういうものに憧れる。
このリバータリアニズムという政治思想に関しては、1970年代にアメリカで登場した思想で、今はまだ日本でも数人しかこの内容の本を訳していないため、あまり広まっていません。
しかし、今のアメリカではリバタリアン党という党も結成されて、2008年の大統領選挙ではロン・ポールという共和党のリバタリアン思想の下院議員が、ネット上でも民主党のオバマ氏以上に人気があって、アメリカ国民がリバータリアニズム思想に盛り上がっていることは事実です。
このリバータリアニズムの思想の歴史や発祥はまたの機会に記載するとして、今回はノーラン・チャートに言及して説明します。
ノーラン・チャートを端的言うと、
”市場経済を尊重して、個人の自由を軽視する”立場が
コンサーヴァティヴ(保守)
”市場経済を軽視して、個人の自由を尊重する”立場が
リベラル(左翼)
前者は、日本で言うと小泉政権の新自由主義(ネオリベラル:新保守主義)に代表されるような、市場原理主義に力を入れて個人の自由を軽視し、福祉や医療も切り捨てていくという、今の自民党のような立場です。
「コンサバティブ(保守・右翼)」と言います。
新自由主義はエリート重視である点で、土着の国民重視のリバタリアンと異なります。
後者は、「すべてクニガキチント(国がきちんと管理しなければ)」という”大きな政府”を目指す福祉国家論を唱え、市場にはあまり力を入れないという、つまり共産党とか、社民党とか、民主党内の旧社会党人陣営みたいな立場です。
http://twitpic.com/4zp9w1
↑この図のように、権利を利用して国民全員を公務員・正社員にして税金を大増税させ、市場を国が全て管轄することで個人が守られると主張します。
これを「リベラル(左翼)」と言います。
これらが行き過ぎて、個人の自由も、経済の自由も、国が統制しだすと、北朝鮮のように社会主義となります。(リベラルでもコンサバティブでもいずれはこれに近づきます。)
つまり
”市場経済を軽視して、個人の自由も軽視する”立場の
権威主義(ファシズム)という最悪な状態になります。
例えば、日本で保守(右翼)を名乗りながらも、経済や外交を全く考慮せず、核武装して軍国的な愛国教育をサヨクの社会主義のように全体主義でやればいいと主張し、
自分の言うことに反対して異を唱える者は「外国人」「在日外国人(在日朝鮮人・中国人)」のレッテルを貼り、「日本から出て行け!」などと糾弾する人も単なるファシズム(独裁)に含まれます。
要するに典型的なネトウヨ(ネット右翼)です。つまり「ネット風評監視サービス会社」というサヨクの工作手口に騙されてハマってる人々です。
詳細はこちら↓
「ネット風評監視サービス会社」の存在を知ろう(2chとニコ動での世論工作)
(日本のマスコミ支配構図の図も追加)
http://netkudoku.seesaa.net/article/140502077.html
また、右翼=戦争だから体罰オーケーとか、左翼=平等だから体罰しないというのも大きな勘違いです。
右翼だから体罰オーケーという人は、右翼ではなく、単なる自分勝手なファシズムの独裁者です。経済どころか、個人も侵害して軽視しています。
(ちなみに今の日本は世界で最も社会主義が成功した国とも呼ばれているわけですが・・)
リバータリアニズムは、これとは全く対照的に
”市場経済も尊重して、個人の自由も尊重する”という立場です。
リバータリアニズムは、元来、欧州で王様が国民の経済や自由を奪うので
「もう私たちを放っておいてくれ。(レッセフェール)」
「自由に経済活動させてくれ。国は放っておいてくれ。」
とイギリスのウィッグ党などが言ったのが起源です。
本来、辞書を引いても分かるように「自由」は「リベラル」という意味です。
しかし、それがアメリカに行って「自由」の意味が「個人の自由だ!」という意味で左翼に強調されすぎてしまい、
左翼=リベラルと、左翼に意味を乗っ取られてしまいました。
左翼が使い始めたことで本来の「自由」の意味とは遠ざかってしまったのです。
よって、仕方なく
本来の「個人と経済の両方の自由」を尊重する人たちは「リベラル」という言葉を使わず「リバータリアン」を名乗るようになりました。
例えば、数年前の民主党の小沢一郎やその方針を支持する者がこの立場に最も近くなっていました。
前民主党代表の前原誠司氏が、自民党の主力である”大きな政府”を目指す動き対して、
”小さな政府”を目指し、小沢一郎がこの流れでそれより更に”小さな政府”を目指しているためにリバタリアンに近づいていきました。
現在の日本で最もリバータリアニズムな考えの方は、名古屋市長の河村たかし氏がそうです。
ただでさえ日銀がお金を刷らずないためのデフレで、少ないお金を企業が争ってる中、それを税金で泥棒していく官僚を中世の貴族独裁者に例え、それに対して減税日本を立ち上げました。
日本の法人税は世界でもトップクラスで高く、更に個人税も所得税や住民税や健康保険料(健康保険税)など、諸税全て総合すれば福祉国家並に高いのに、官僚と米国の戦争と生活資金にもっていかれるだけで全く低所得で頑張っている労働者の方々に還元されていません。
そこで逆に、徹底的な減税により、経済の自由化を行い、雇用の流動化を行うことで人口の都市部集中を防ぎ、就職難も改善させ、田舎や地域の中小企業を助けます。
すると過疎な田舎からでも就職して仕事に通うことができ、高齢者の保護にもなる地域に密着した社会福祉を理想とします。
国に年金泥棒されたり、福祉を見捨てられるようなことがないわけです。
今、日本で最も必要とされる政策です。
このように国に対して、「レッセフェール(ほっておいてくれ)」を唱え、経済や社会に対する国家や政府の介入を否定もしくは最小限にすることを主張します。
実際のアメリカの政党構図をノーランチャートで示すと(大雑把ではありますが)、こんな感じです。(↓)
日本は(大雑把ですが)こんな感じです。(↓)
左翼しかいません。
本物の右翼(保守)なんて実はいないのです。
それは官僚主導を支持したり、保守を名乗りながら増税や国の福祉の充実を支持する時点で偽物です。
ましてリバータリアンの政党もまだ存在すらしてないのです。
・・・また長くなるといけないので、今回はこれくらいにしておきます。
あと、あまり参考にはならないかも知れませんが、参考までに政治ポジションテスト(全16問)を載せておきます。
http://seiji.yahoo.co.jp/guide/position/
この政治ポジションテストは、かなりアバウトで、リバタリアンさえ組み込まれていませんが、右側の”小さな政府”の枠の近くに自分が位置していれば、リバタリアンの素質はあるのだと思います。面白半分でやると良いと思います。
その他、政治・経済のリバータリアニズム関連リンク↓
「ネット風評監視サービス会社」の存在を知ろう(2chとニコ動での世論工作)
(日本のマスコミ支配構図の図も追加)
http://netkudoku.seesaa.net/article/140502077.html
日本人が愛国心を取り戻す方法1
http://rextuseferu.seesaa.net/article/140063519.html
日本人が愛国心を取り戻す方法2
http://rextuseferu.seesaa.net/article/140176284.html
リバタリアンの外国人参政権への考え方
http://rextuseferu.seesaa.net/article/140501003.html
中国や朝鮮と仲良くできるか?〜日本が選べる3つの道〜
http://rextuseferu.seesaa.net/article/143265102.html
参考文献↓
個人的な主観の感想ですが、この中でも、
あまり政治や経済に詳しくない所から始めて適当にかじる程度に知りたい超初心者向けの本は「リバタリアン宣言」↓
少し詳細に知りたければ「リバタリアン読本」「自由はどこまで可能か、リバタリアニズム入門」↓
本格的に基礎を知って固めたれば「リバータリアニズム入門(日本語版)」↓
がオススメです。
↓リバータリアンで有名なアメリカ共和党議員のロン・ポールの訳書。実際にどのような政策や考えをもっているのかよく分かります。
「他人のカネで生きているアメリカ人に告ぐ ―リバータリアン政治宣言― 」
その他、参考本↓
